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自然なパースで絵を描くためにはカメラ位置の設定が重要

 投稿者:御茶目菜子  投稿日:2013年 6月23日(日)23時50分46秒
  通報 編集済
  お絵かきとカメラについての関係は5月23日に書いたけどそれをもう少し掘り下げて書いて
みるにょ。
カメラに詳しくない人でも広角レンズや望遠レンズといったレンズの焦点距離の違いによる
写りの違いは知っている人も多いのではないかと思われるにょ。
大体の人が持っているイメージとしては「望遠レンズは奥行きを圧縮するレンズ」、「広角
レンズは遠近感を強調するレンズ」という感じではないかと思われるにょ。
そのイメージそのものは間違いではないけど実際はそんな魔法のレンズは存在しないにょ。
なぜならば被写体までの距離や背景までの距離が固定した場合には望遠レンズは大きく写る
(狭い範囲が写る)、広角レンズは広い範囲が写る(小さく写る)というだけで遠近感に
違いはないためにょ。(下記サイトのサンプルを見てのように写る範囲とピントの合う範囲が
変わっているだけ)
http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/19/01.htm
被写体が同じ大きさになるように撮影した場合には望遠レンズは被写体までの距離が遠く
なることによって背景との比率が小さくなるため奥行きが圧縮され広角レンズは被写体までの
距離が近くなるため遠近感が強調されるというわけにょ。

望遠レンズと広角レンズの描写の違いがどのようなものかを文章で説明しても理解するのは
なかなか難しいけどこのサイトにある焦点距離ごとの撮影サンプルを見てもらえたら
一目瞭然ではないかと思われれるにょ。
http://members2.jcom.home.ne.jp/0914488901/anime/anim03.html
ここでは18mmから400mmまでレンズを変えながら人物を撮影しているけど人物と背景の距離は
変わってないのに背景の写り方はかなり違うというのが分かるにょ。(実際は人物も高さ
こそ統一されているとはいえ各パーツの大きさや形の違いがあるけどここでは大きく変わって
いる背景のみに注目する)
この背景の写りがなぜ異なっているかというと上記のようにカメラ位置を変えているのが
理由になっているにょ。
最初のサンプルのようにカメラ位置を変えないで広角レンズで撮影したら広い範囲が写る
だけであり、被写体は小さく写るにょ。
その小さく写った被写体をトリミングすれば望遠レンズと同じパースとなるにょ。
ただし、広角レンズは周囲に行くごとに歪む特性があるためトリミングして望遠レンズの
ように使いたいならば中央部をトリミングするのがベターにょ。

これを活かしているのがセンサーサイズの小さなデジカメにょ。
銀塩カメラ(フィルムカメラ)はほとんどの機種が「35mmフィルム」(いわゆるライカ判)
という規格だったため現在のデジカメにおいてもそれを基準にした換算焦点距離を用いて
いる場合があるにょ。
「フルサイズ」と呼ばれているデジカメはこの35mmフィルムと同じ大きさのセンサーを
用いているため全く気にする必要はないけど普及クラスのデジカメに使用しているAPS-C
サイズのセンサーはフルサイズと比べて約2.3分の1の面積しかなく換算焦点距離を求める
場合にはその平方根の1.5を掛ける必要があるにょ。(キヤノンのAPS-Cセンサーは若干
小さいため1.6倍になっている)
つまり、50mmのレンズは換算焦点距離では75mmとなるわけにょ。
これがフォーサーズだと2倍、一般的なコンデジに使われている1/2.3インチセンサーだと
5.6倍になるにょ。
一般的なコンデジで50mmのレンズだと換算焦点距離は約280mmとなるわけにょ。
これらはセンサーが小さいため「トリミングしている」と考えれば簡単に説明ができるわけ
だけど実際は単にイメージサークルが小さいだけなので換算28mm(実焦点距離が5mm)の
レンズを搭載したコンデジが超広角のレンズを使用しているかというとそうではなく光学系
すべてが5.6分の1になっていると考えれば分かりやすいにょ。


さて、やはり気にしている人もいると思うので書いておくと「どこからが広角でどこからが
望遠か」という基準はあるのかということにょ。
その基準になるのが標準レンズにょ。
標準レンズとなる焦点距離はそのカメラで使用しているセンサーサイズ、フィルムサイズに
よって変わってくるけどかつて一般的だった35mmカメラ(フルサイズ)においては50mmという
焦点距離のレンズが標準レンズとされてきたにょ。
その理由としては下記のようなものが挙げられるにょ。

 (1)フィルム(センサー)の対角線サイズに近い
 (2)人間の目の視野角に近い
 (3)遠近感が自然
 (4)ファインダーを覗いたときの距離感が肉眼に近い

(1)35mmフィルムは36x24mmでありその対角線は約43mmとなるにょ。
そうなると40mmというレンズを作った方がよりこの条件に適合するけど35mmカメラ用の
40mmという焦点距離のレンズはほとんどないにょ。
これはかつて一眼レフカメラにおいてにおいてクイックリターンミラーと干渉するため広角
レンズが作りにくかったことで標準レンズを40mmにしにくかったというのも理由ではないか
と思われるにょ。
実際、標準レンズとされてきたレンズの焦点距離も50mmではなく55mmや58mmというメーカーも
あったわけだしね。
最も安価に作れるレンズということで50~58mmのレンズが標準レンズ(標準セットのレンズ)
として普及してしまったために40mmではなく50mmが標準レンズになってしまったという
考えにょ。
35mmカメラは横と縦の比率が3:2だけど中判(6x6判)では1:1になっているわけなので異なる
フォーマットにおいて標準レンズを定義する場合の参考の1つにはなっているし、価格の安さや
製造面の問題はないため他のフォーマットでは対角線サイズに近い焦点距離が標準レンズと
なっている場合が多いにょ。

(2)ここで問題は人間の目の視野角の定義にょ。
両目で見た場合には一般的な人だと視野角は水平で180~200度に達するにょ。
この画角は魚眼レンズに相当するけど魚眼レンズのように見えていると感じている人は
まずいないのではないかと思われるにょ。
この180~200度という視野角は眼球の移動をフルに使った場合のものであり、実際に普通に
両目で見える範囲となると水平で60度程度と言われているにょ。
実際はそれより広い範囲が見えているけど著しく認識精度が落ちてしまうにょ。
水平画角60度はカメラの画角でいうと28mm~35mm程度にょ。

50mmのレンズの水平画角は40度にょ。
これは注視しない場合の視野角といわれているけどこれも個人差があるため人によっては
85mm程度の画角になっている場合もあるにょ。
逆に注視すると5度くらいになってしまうにょ。
これは400mm~500mmに相当するにょ。
つまり、普通に見える範囲を撮影したければ広角レンズ、注視したもののみを切り取るならば
望遠レンズ、その中間が標準レンズといえるわけにょ。

(3)上記のように28~35mmの広角レンズは人間の目で普通に認識できている範囲のものを撮影
することが可能になるのだけど広角レンズはより広い範囲が映せるというのは普通に撮影
したら小さく写るため被写体に近づいて撮影することも多いにょ。
そこで普段人間の目では普通は見られないような遠近感の誇張を味わうことができるにょ。
また18mmとか16mmとかの超広角レンズでは人間の目では普通に見えない範囲のものが撮影でき
正面を向いたままより近くのものが写るためその強烈の遠近感の誇張は意識して広角レンズの
特性を活かさなくても普通の撮影でさえ味わうことが可能になるにょ。(28mm~35mmの広角
レンズだと意図的に被写体に近づかない限りはそこまで強烈な遠近感は味わえない)
注視していても人間の目でしっかり認識できる視野角が狭まっているわけであって人間の目が
望遠レンズのようになるわけではないため500mmの超望遠レンズとなると人間が普段見れない
ような写真を撮ることが可能になるにょ。
50mmのレンズというのは人間が普段の日常生活で自然に感じる距離での撮影となるため
人間の目に近い遠近感を得ることが可能になるということにょ。

(4)要するにファインダー越しに見た場合に肉眼と比べて遠くに見えたり近くに見えたり感じ
ない焦点距離といえるにょ。
ただし、これはファインダー倍率に依存してしまうにょ。
したがって、これは一眼レフならばどのフォーマットサイズでも50mmくらいの焦点距離の
レンズが標準になってしまうにょ。
また、EVFや液晶画面での撮影時にはこの影響はないためファインダー越しに自然な距離感を
得られるかどうかを標準レンズの焦点距離の基準にはしにくいにょ。


このように標準レンズに絶対的な基準があるわけではないため35mmカメラでは50m付近(40~
60mm程度)を標準レンズと考えておけばいいのではないかと思われるにょ。
一般的なレンズラインナップでは広角レンズは35mmから望遠レンズは85mmからとされている
ため35mm超、85mm未満の焦点距離のレンズを標準レンズと呼んでもそれほど語弊はないにょ。
とはいえ、あまりに分かりにくくなってしまうためここでは50mm(35mmカメラ以外は換算で
約50mm)のレンズを標準レンズと呼ぶにょ。

ここまで何度も出てきたようにやはり重要なのは遠近感(パース)は撮影する被写体の距離で
変わってくるということにょ。
広角レンズを活かす(より遠近感を誇張する)ためには被写体による必要があるし、これは
言い換えるとレンズの特性を活かすためにはカメラ位置を変えることが重要といえるにょ。


カメラ位置を考えるなんてパースの勉強をまともにやっている人ならば常識的なことだけど
これは意外に軽視している人も多くネット上でも広角レンズは遠近感を誇張する魔法の
レンズのように考えている人も少なくないにょ。(クリスタなどではパース定規でグリッド
表示が可能であり距離の感覚が希薄になりがちで広角レンズを単に遠近感を誇張する魔法の
レンズのように考えてしまいがちなのとパース線に頼って不自然なパースで描いてしまい
がちなので注意が必要)
要するに手前に描いたものを大きくすれば広角レンズの描写になるという考えにょ。
しかし、これは「広角レンズは基本的には小さく写るレンズ(広い範囲が写るレンズ)」と
いうことさえ分かっていればこんな単純な考えでは正しくないことが分かるにょ。(似非
広角ということを分かって使えば問題ないけどその変わりパースは完全に間違っていると
いうことも同時に理解しておかなくてはならない)

さて、パースのついた絵を描くために知っていく必要があるのは様々な透視図法にょ。
主なものには一点透視、二点透視、三点透視があるにょ。
これは中学の美術の時間などで習うため特別難しいものではないけど消失点に向かって
小さくなっていく程度の認識の人も多いのではないかと思われるにょ。
透視図においては同じ平行線の組が同じ消失点に向かって消失するように作図するように
なるのだけど三次元空間においては縦横奥行き)が存在するため三点透視が基本となるにょ。
(ちなみに三点透視は縦横奥行き(スクリーン上のX、Y、Z方向)にパースが付く図法で
あり消失点が3つの図法という意味ではなく様々な形状のオブジェクトが混在していれば
消失点は無数になるため注意)

ただし、この三点透視というのは正しく描くのがすごく難しいし、多くの場合は三点透視を
使わずにそれっぽく描けるにょ。
三点透視から上下のパースを省略したものが二点透視にょ。(X、ZもしくはY、Zにパースが
付く図法)
建物など立体の横と奥行きを表現可能にょ。
さらに横方向のパースをしたものが一点透視にょ。
一点透視では奥行き方向のみを表現可能にょ。(Zのみパースが付く)

一点透視は透視図法の中では最も簡易的なものといえるけど一本道や長い廊下など使用可能な
場面は非常に多いにょ。
シンプルな図法であるためそれっぽく描くのは非常に簡単だけど距離感を正しく出すという
のは非常に難しいにょ。
ここでは「正しく」というよりも「不自然さを無くす」という言い方の方がより適している
かもしれないにょ。
例えば一点透視で描かれた床に人物を立たせた場合の接地や一点透視で描かれたテーブルの
上に置かれた皿を不自然さがない状態で描くのは簡単ではないにょ。
そしてさらに難しいのはそのテーブルと同じ部屋にある本棚を同時に描写する場合にょ。
本棚と机が全く同じ幅で(カメラから見て)全く同じ距離に設定しない限り非常に難しい
けれどその難しくしている原因は一点透視の奥行きは自由に変えられるためにょ。
画面中央に置かれた正方形のテーブルもパースがかかることによって見た目の奥行きが
かなり縮まった台形で描写されるにょ。
例えば幅90cmのテーブルならば見た目でどのような奥行きになるかというのは絶対的な基準が
あるわけではないということにょ。

しかし、これは正しく描けないというわけではないにょ。
正しく描くためにはカメラ位置を設定する必要があるというだけにょ。
例えば足線法などを使えば一点透視、および、二点透視が正しく描けるにょ。
とはいうものの、製図ではなく漫画やイラストの背景に使用する場合は厳密に正しい描画の
必要性が求められることはあまりないにょ。
したがって、多くの漫画家はある程度は感覚で奥行きを決めているにょ。
これはランダムにばらまかれたトランプを描くなどの日頃の練習を積み重ねることで会得が
可能になることであり、感覚で描くというのは素人にはなかなかできないにょ。
むしろ、よほど経験がない限りは感覚のみに頼るというのは非常に危険なことといえるにょ。
それは後述の「ダメ絵」のようにプロでさえ間違っている人もいるためにょ。


やはり、まだ感覚で描くことが不十分な人ならば感覚のみに頼るのでないならばある程度の
指標になるものが欲しいところにょ。
さまざまな方法があるけど簡易的な計算によって感覚的に描けるようになるまでのガイドに
するという方法もあるにょ。
一点透視はその仕組みがシンプルであるため中学生レベルの数学(というか算数レベル)で
大ざっぱな「見た目上の奥行き」の計算が可能になるにょ。
それが、プロ漫画家であるごとう隼平先生のこの講座にょ。(ごとう先生の代表作である
「銀塩少年」はカメラ好きの少年を描いた物語であり私もコミックスを持っている)
http://ch.nicovideo.jp/goto-junpei/blomaga/ar263370
この講座(主にごとう先生がお絵かきしながら絵についてやカメラについてなどを語る放送)は
月曜から金曜の毎晩0時~2時までニコ生で行っており、過去放送分も視聴は可能になって
いるにょ。(ただし、過去放送分は有料)
その中の1話分から30分少々を切り出したものが先生本人によってニコ動に投稿されており
それは普通に閲覧が可能にょ。(上記リンク先からだとニコ動のアカウントを持って無くても
視聴OK)

この動画はすでに2万再生を越えている人気動画となっているけどこの動画内で語られている
ことが上記の一点透視における奥行きの描き方にょ。(この動画において広角レンズの描画は
誤解を生む表現があったため後日の講座で補足が行われたのでレンズの画角面以外の部分を
参考にして欲しい)
この動画では3m先の床にある30cm四方の正方形のタイルをアイレベル150cmの人が見たら
どのような形で見えるかを計算で求めようとしているにょ。
一点透視の場合はカメラは基本的に床に対して平行であるため視覚上のタイルの大きさは
三角関数などを使わずに単純な比例計算で求めることが可能になるにょ。
そこで導き出されたのが13.6cmという値にょ。
30cmのタイルを紙に3cmの大きさで描くならば底辺3cm、高さ1.36cmの高さの台形を描けば
この3m先にある30cmのタイルを表現することができるというわけにょ。(ただし、この
タイルを35mmフィルムと同じ3:2の縦横比のコマに描き消失点をコマ中央に設定した場合
にはコマの最も手前にこの13.6cm相当のタイルを持ってきても垂直画角が53度になるため
画角だけを見ると24mm相当の広角レンズになってしまうので50mmっぽさを出すにはタイル
との距離を6mくらいに設定した方が良いかもしれない)
そこまで厳密に計って描く必要はなく横幅の半分より少し短いくらいの台形を描けば良いの
だけど数値的に計算することで直感的に分かるようになり、かつ、自信を持って描ける
ようになるというのがこの講座の趣旨にょ。(何も気にせず描いていたらタイルとの距離が
1mくらいの奥行きで描いてしまいがちであり、不自然なくらいの広角レンズになってしまう
場合が多い)


ここで問題となるのは一点透視というのは上記のように極めて限定的な透視図ということにょ。
3次元世界ならば本来ならば三点透視が基本であるにも関わらず奥行き以外はパースが省略
された状態になっているわけだからね。
したがって、上記の約13.6cmという値は一点透視で計算するならば正しい値だけど三点透視
ならば約12.42cmとなるにょ。

 (図1) http://twitpic.com/cyjpjx

13.6cmか12.42cmかはそれほど重要なことではなくこの程度の誤差ならば漫画やイラストの
背景において大きな問題にはならないけど一点透視が限定的なものであるためその誤差は
消失点から離れるほど(厳密に言えばカメラに近づくほど)拡大されていくにょ。
この誤差について考慮せず、パース線通りに描くのが絶対的に正しいと考えてしまうと
大きな間違いを生んでしまうにょ。
上記のこの講座が紹介されているブロマガにはユーザーからのコメントも多数寄せられて
いるけどその中の1つに「この理屈だったら自分の真下にあるタイルは正方形になっちゃう
でしょうが。1点透視でそれはあり得ないでしょう。」というコメントを残している人も
いるにょ。
これは一点透視がどのようなものかというのもをちゃんと把握できてない初心者が陥りがちな
ミスにょ。
それは一点透視においてカメラの真下というのはカメラの距離がゼロを示すためにょ。
あくまで透視図というのは簡易的な作図法ということを理解する必要があるし、その中で
最も単純な一点透視はカメラに近づくごとに誤差が大きくなるということはしっかりと熟知
しておかなくてはならないにょ。(特にカメラとの距離ゼロは考えてはいけないこと)

パースが省略された一点透視や二点透視とは異なり三点透視ならば誤差が発生しないのか
というとそういうわけでもないにょ。
実は三点透視でも実際の見た目と大きく変わる場合があるにょ。
それは平面を別の平面に投影しているためにょ。
パースの大原則としては「距離に反比例して大きさが変わる」わけだけどカメラを中心に
した場合には距離が等しいのは球面になるため平面から平面への投影はカメラ距離が近く
なるほど画角が広くなるほど誤差が大きくなるにょ。(これだと球面を投影する魚眼レンズが
正しいことになってしまうけど人間の目は網膜が球面に近いため自動的に歪曲収差の補正が
加えられているということに加えて視覚の周辺部はほとんど認知できないため歪んでいても
ほとんど気づかないので魚眼レンズのように極端な収差が逆に極端な不自然なものに感じて
しまう)

三点透視が用いられている3DCGもやたら画角を広くしたりカメラ距離を近づけすぎると
本来はありえないような誤差が発生してしまうにょ。(これはカメラの中の光学系を考慮
してなかったり、最短撮影距離の制限がないため距離ゼロ付近をが実現しやすくなっている
というのが原因)
三点透視でカメラの近くのものを描く場合には魚眼レンズとはいかないまでも直線的な
パース線に沿ったものではなく曲線的に歪ませた方がそれっぽく見えるにょ。(実際の
カメラの広角レンズのような描写)
つまり、透視図において本当に正確なのは消失点に近い部分だけであり、カメラとの距離が
ゼロもしくはそれに近い状態においては一点透視だけの話ではなく三点透視であっても
誤差が大きくなってしまい不自然さが出てしまうということを十分に知っておく必要が
あるにょ。(上記のようなコメントを書いた人のようにカメラ距離ゼロの状態において
矛盾するから正しくないというならば三点透視だろうと3DCGだろうと扱えなくなる)


話を一点透視に戻すと一点透視の奥行きがなぜ難しいかというと描画する際にレンズの
焦点距離によって奥行きを自由に設定できるためにょ。(この書き方も本当は正しくなく
後述のようにカメラ距離の設定によって自由に変えられるという方が正しい)
つまり、よほどおかしな絵にしない限りは正解も不正解もないというわけにょ。(地面
だけとかテーブルだけを描くならば不正解もないけど複数のオブジェクトが画面内に
存在する場合にはお互いが矛盾しあって不自然さが生まれる原因になるため難しい)
したがって、一点透視において広角レンズっぽく描いたり、望遠レンズっぽく描いたりと
いうのは簡単にできるにょ。

 (図2) http://twitpic.com/cy812r

このようなものは初歩的なパースの知識だけで描けるけど重要なのはこの方法において広角
レンズと望遠レンズを比べた場合にはカメラの位置が変化しているというのを把握しておく
ということにょ。
なぜそれが重要かというと何度も書いているように遠近感の圧縮や誇張は被写体までの
距離によって発生する問題だからにょ。(広角レンズだから奥行きが伸びるというわけ
ではない)
近づくとなぜ遠近感の誇張があるかというとこの横から見た図、および計算式を見たら
簡単に理解できると思うにょ。

 (図3) http://twitpic.com/cy14jl

上記の3m離れて見た目の奥行きが13.6cmに見えるタイルは広角レンズを用いて見た目の幅が
同じくらいに近寄れば見た目の奥行きは22.7cmになるにょ。(ただし、これは一点透視で計算
しているため誤差があるし、上記のように50mmレンズ使用時にアイレベル150cmの場合には
3m先の地面にあるタイルは見えないためあくまで数値は誤差を含んだ参考程度のもの)
要するに「近づくと視覚上の角度が増すから見た目の奥行きが長くなる」というすごく単純な
ものにょ。

上記(図2)の一点透視の広角レンズと望遠レンズにおいて地面に描かれた長方形のタイル
(パースがかかることで台形になっている)の縦横比が同じものがカメラから同じ距離にある
タイルとなるにょ。(ただしアイレベルが変化していない場合)
例えば1番手前のタイルは広角レンズの方はやたら奥行きが長いけどこれは(図3)で示した
ように距離が近いためそのように見えるにょ。(広角レンズは望遠レンズと同じアングルで
カメラを構えてもより近くが写り込むことで遠近感が誇張される)
広角レンズの手前から2番目のタイルと望遠レンズの1番手前のタイルは概ね縦横比が同じ
くらいなのでこの図だと広角レンズは概ねタイル1枚分だけ近づいてものと言えそうな
感じにょ。(正確にはそれよりも少し近いため1枚のタイルが100cmならば110cmくらい
近づいた感じといえる)
逆に言えば、この図の望遠レンズは広角レンズと比べてタイル1枚分くらい狭い範囲を
切り出したものといえるにょ。
これこそが望遠レンズの遠近感の圧縮の正体にょ。(距離が離れており遠近感の圧縮が
行われている部分のみを切り出しているため望遠レンズでは遠近感が圧縮されたような
描写になる)

この広角レンズや望遠レンズのパースに与える影響の仕組みを知っていれば広角レンズっぽく
描いたり望遠レンズっぽく描くのは非常に簡単にできるにょ。
それを知らなければ上記において1枚のタイルが1mではなく2mと仮定した場合に望遠レンズで
描く場合に1mのタイルを広角レンズで描いたものと差別化ができなくなるにょ。
被写体を小さく描くことで広角レンズということを描きわけするという方法もあるけど広角
レンズだから広い範囲が写り小さくなっているのか被写体そのものが小さいのかが分からない
ため遠近感を出すには近くのものを描写しなくてはならないにょ。(というか、描く前の
段階で構図を決めているのが当たり前だし描きたい被写体をどのような大きさで描くという
ことをすでに決めているだろうから広角レンズだからキャラを小さく描くという手は現実的
にはほとんど使えないためカメラ距離を変えることで遠近感を表現しなくてはならない)
広角レンズは広さを表現するだけではなく遠近感を誇張によってよりダイナミックな表現や
物語の世界に入り込んだような描写が可能になるにょ。
逆に望遠レンズは遠近感の圧縮によって第三者視点のような客観的な描写が可能になるにょ。
標準レンズは被写体との距離が自然な場合になることが多いためよく使われている焦点距離
となるにょ。

広角レンズと望遠レンズの描き分けではカメラ距離が重要になってくるわけだけどさらに
言えばカメラ距離さえ把握していればきちんとパース線を引かなくても不自然さはほとんど
起きなくなるにょ。(不自然さがないカメラ位置を設定してそこからカメラを動かさずに
描写していけば問題ない)
逆にカメラ距離をしっかり把握してない場合はパース線をいくら引いても不自然さが出て
しまうにょ。
それはこのサイトの「ダメ絵」を見ればよく分かるにょ。
http://members2.jcom.home.ne.jp/0914488901/anim.html
実はこの「ダメ絵」はちゃんとパース線通りに描かれているにょ。
部位(荷台、車輪、馬と分けて考える)ごとに見ていけば間違っている部分は何もないにょ。
ところが全体をみるとおかしく見えてしまうにょ。
それは実は部位ごとにカメラ位置が異なっているためにょ。
例えば5m先の50mmのレンズで撮影された被写体と10m先の100mmのレンズで撮影された被写体は
ほぼ同じ大きさで写るにょ。
しかし、そのパースは異なるにょ。
「ダメ絵」の方は部位ごとのカメラ位置がバラバラで大きさだけはパース線に合わせている
(焦点距離の異なるレンズで撮影している)ため部位ごとに見たらパースは間違ってないけど
カメラ位置が固定されてないため距離による遠近感の描写の描き分けができてないことが
原因で不自然なものとなっているわけにょ。

「ダメ絵」を見てのようにプロでさえカメラ距離を考えず感覚のみで描いたら間違えて
しまうということが分かるし、この「ダメ絵」を見ても何がダメなのかが分からない人は
その感覚そのものが正確に構築できてないため感覚のみに頼るのは危険なことにょ。
これは人体において手足の比率を覚える前にカンのみで描いてしまっている状態とほとんど
等しいためにょ。
そのおかしな感覚が深く根付けば根付くほど修正が困難になるにょ。
したがって、カメラからの距離を把握して描くということが不自然さのないパースを描く
ためには必要不可欠となるわけにょ。
しかし、「間違ったパース=ダメ絵」とは限らないにょ。
例えば人物を引き立てるために広角レンズのような背景に望遠レンズのような人物を描くと
いう場合にもそれが絵の魅力に繋がっているならば全く問題ないし、魅力的ならば積極的に
活用すべきとも言えるにょ。
広角レンズの活用となると勇者パース(サンライズ立ち)というものがあるけどこれは
パースが間違っている(正しいパースであるためには先端の方が太くなったすごく長い剣が
必要になる)けどこれはカッコイイため問題はないということにょ。

リアルの世界を写す写真とは異なり、漫画やイラストのような絵は自由な表現が可能である
ため「パースが正しい絵=良い絵」とは限らないにょ。
ただし、これは「パースなんて適当でいい」と考えると「ダメ絵」以下の絵を量産するような
ことになるにょ。
厳密な正確さを考える必要はないけど不自然にならない程度にはちゃんとしておく必要がある
というのは多くの人が理解しているのではないかと思われるにょ。
パースのついた絵を描く場合に不自然さを無くすためには何度も書いているようにカメラ
との距離を把握してカメラ位置を固定した状態で描くということが重要になるにょ。(これが
ちゃんとできていれば広角レンズや望遠レンズや魚眼レンズによる描写もフリーハンドで
さっと描けるようになる)

人物を描いて接地がうまくいかないというのも多くの場合はカメラ距離を設定できてない
ためにおきているにょ。(あとは設定できているけど自分が考えている角度で描けないという
技術的な問題による場合もある)
例えば広角の背景に望遠の人物を描く場合には背景の地面(人物の設置場所)と人物の立って
いる場所のカメラ距離が異なっているためパース線を引いてもどうしても浮いてしまうため
「ウソを付く技術」が要求されるにょ。(フリーの背景に人物を描き加えるという場合には
人物を標準もしくは望遠で描いてしまいがちなため背景が広角ならば接地面の整合性をうまく
考える必要がある)
接地はうまくごまかせても人物が傾いているように見えたりしてしまう場合もあるにょ。
また先に描いた人物に広角風の背景を加える場合にもすでに望遠レンズ風の圧縮が行われた
人物絵を描いた場合には奥行きがほとんどないため人物基準ではうまく背景の距離感を出す
ことはできず、別の基準を元に背景を加えていき接地はうまくごまかす必要があるにょ。
そこまで面倒なことをするならば最初からカメラ位置を固定(つまり焦点距離も固定)して
背景と人物を描いた方が自然な描写をする場合には遙かに簡単にょ。
背景と一括りにするのではなく背景に描画されているオブジェクトも焦点距離がバラバラ
だったら整合性をとるのは飛躍的に難しくなる(というか普通は上記のようなダメ絵になる)
ため気を付けなければならないにょ。
つまり、アイレベルや消失点をちゃんと決定してパース線をいくら正確に引いてもカメラ
設定ができてないと無意味になるという可能性が極めて高いというわけにょ。(カメラ設定が
できてない場合は上記のように自分の感覚だけが頼りとなるため感覚で描ける人ならば問題
ないけどパース線に頼っている人だと描けない)

ちなみに私は脳内で3D演算処理(といっても正確さを要求すると暗算では無理なので誤差を
少し含んでいるけど速度重視の演算を行っている)をしているのだけどこれができるように
なったのはプチコンでポリゴン表示プログラムを自分で作りどうすればより簡単に求める
ことができるのかをいろいろな方面から考えてみたということが大きいにょ。(魚眼レンズも
脳内で魚眼レンズフィルタをかけてそれを描いている感じなので大ざっぱならフリーハンドで
描ける)
(投稿を始めてから)27年間続けてきたお絵かき、(自分用の一眼レフを使い始めてから)
26年間続けてきたカメラ、(自分用のマシンを手に入れてから)29年間続けてきた
プログラミングがようやく1つに繋がった感じにょ。
私のように計算主体で描くというのは極めて希でありこれが王道的な手法とはいえないけど
正しい感覚が身に付くまではこれで問題がないと思っているにょ。
パースだけに限らず、構図や色彩バランスについてもある程度は数値化可能にょ。
この辺についても感覚だけに頼っていてはなかなか難しい(どこが良くてどこが悪いのかと
いうことが自分自身では判断ができず誰かに教えてもらえる人が居ないとダメな状態で
固定化してしまう恐れがある)ということで、独習で向上しようと思ったらベターな選択肢
ではないかと思っているにょ。
感覚というのは覚えるのは難しいけど理論を覚えるのは簡単にょ。
理論を覚えればそれを基準に感覚を磨くことはできるにょ。
理論だけに頼るのではなく最終的には感覚で描けるようにすべきだけどね。


「自然なパースで描くためにはカメラ距離をちゃんと把握しておくことが重要」というだけの
ことを書くのにやたら長くなってしまったけど書き足りないことがあったら誤解を招くし
重要なことは何度も繰り返し書かないと分かってもらえないということでこの長さになって
しまったにょ(笑)
元はといえば広角レンズと望遠レンズを表現するためには上記のようにカメラ距離が重要
なのだけどそのカメラ距離は無関係で自然なパースを書きたい(しかも、製図ではないため
そんなに正確なものは不要)という人を見かけたためにょ。
カメラ距離を考えず自然なパースで描けるようにするためにはその描きたい構図に合わせた
自然なカメラ距離を自動的に設定できるくらいの経験を積まないと無理にょ。
これは「ダメ絵」にあるようにプロでも間違えやすいにょ。
絵が上手くなるためにはちゃんと見て考えて描く必要があるにょ。
カメラ位置を考えるということはパースの大原則である「距離に反比例して小さく見える」と
いうものを描くためには必要不可欠なものであるためそれをスルーしている時点できっちり
パース線通りに描かれた不自然な絵しか描けなくなってしまうにょ。(カメラ位置を考えず
自然なパースで描くというのは光源を把握せず自然な陰影を付けるというのと同じくらい
無謀なこと)
「感覚的に描けるようにする」というのは重要だけどそのための感覚をいかにして身に
つけていくか、もしくは自分の感覚が合っているかというのは自分ではなかなか分からない
からね。
自分には何が足りず、それを補うにはどうしたら良いのかということからまずは考えて
いかないと上達は難しいにょ。(描けば必ず上手くなるというわけではなくちゃんと考え
ないと上達できるものも上達しない)


《 6/24追記 》

距離で遠近感の圧縮率が変わるということは逆に言えば圧縮率を変えることで距離も表現が
可能になるといえるにょ。
「A君が廊下で見かけたBさんに声をかけた」というシーンをA君視点で一点透視で描くと
いうことも簡単にできるわけにょ。
まず決めないといけないのは長さにょ。
教室は1辺が10m四方、廊下は幅2.5m、高さ2.3mとするにょ。
アイレベルは150cm、Bさんの身長は160cmとするにょ。
Bさんは廊下の中央付近に立っていてBさんの後ろには教室が3クラス分見える(つまり廊下の
突き当たりまでが30m)とするにょ。
ここで重要になるのが本文で何度も書いたカメラ位置だけどA君とBさんの間の距離は5mと
するにょ。
その情報を元にフリーハンドでざっと描いたのがこれにょ。

 (図4) http://twitpic.com/cyxh9d

フリーハンドで適当に描いたため多少のずれはある(緑の線は後から付け足した)けど遠近感は
自然な状態になっている(距離が5m、教室の幅は10mくらいに見えるようになっている)と
思われるにょ。

ここで最初に考えなくてはならないのは1クラスの教室の見た目の奥行きをどれくらいに
するかということにょ。
Bさんの後ろにある教室をXクラス、Yクラス、ZクラスとするとXクラスの奥行きが見た目で
どれくらいかはぱっと判断できる人は少ないと思うにょ。(プロでも「距離5m」という
数字を出されたら感覚で描ける人は少ないと思う)
しかし、一番手前のXクラスにおいては手前の部分が5m、Yクラスとの境目の部分が15mと
いうことで距離が3倍になっているため実は非常に簡単にょ。
一点透視において奥行きの距離が3倍ならば縦幅もしくは横幅の大きさは1/3になるにょ。
つまり、廊下の高さや幅が1/3になる場所がXクラスとYクラスの境目といえるにょ。
1クラス分の奥行きが分かれば残りの2クラスは簡単に分かるにょ。
教室に窓やドアを描く場合もこれを10mを分割してやれば正確に描くことができるにょ。
つまり、自然な奥行きで基準となる10mを表現できるかが重要になってくるというわけにょ。

これが分かれば5mではなく「すぐ近くで声を掛けた」というのを表現するためA君とBさんの
距離を2mに設定するのも簡単だし、「遠くから声を掛けた」というのを表現するため距離を
20mにするのも簡単にょ。
遠近感の圧縮率と距離との関係をちゃんと把握できていれば自然なパースで描くというのは
難しいことではないにょ。
これが上手く表現できないと目の前で声を掛けたはずなのに10mも20mも先にいるような
絵になったり、逆に20mくらい離れているのに目の前にいるような絵になってしまうため
注意が必要にょ。(今回は5mという情報があったためそれに近い値で描けるようにして
いるけど実際は5mという具体的な数字が出てくることはないため4mや7mになってもそれ
ほど変わらないので5mぴったりではなく極端にイメージとずれなければ問題ないため
ある程度経験を積んでいけば長さを考えなくてもそれっぽく描くのはそれほど難しいこと
ではない)
 
 
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